Microsoft MVPを受賞しました!

こんにちは!メルペイのコード払いチームでバックエンドエンジニアをしている@toshi0607です。趣味はサーバーレスアーキテクチャーです。

前職ではRailsサーバーやWebフロントエンドだけではなくWindowsやXamarinを使ったmacOSアプリ開発もしていました。

今日はDeveloper Technologiesカテゴリー*1でMicrosoft MVPを再受賞したお話です。

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Microsoft MVPとは

Microsoft MVPはMicrosoftの製品やテクノロジーについてオンライン・オフラインを問わず顕著な活動を行った個人をMicrosoftが表彰する制度です*2

MVPを受賞するとMicrosoft製品への早期アクセス、製品チームと直接やり取りできるチャネルやMicrosoft米国本社で開催されるGlobal MVP Summit への招待、様々なソフトウェアライセンスの付与など様々な恩恵を受けることができます。

MVPを受賞するためには、現在はMicrosoft社員かMicrosoft MVPの推薦を受け、自身の活動をPRする必要があります。

Microsoft MVPの審査に提出した文章を公開します!

PRと言っても、具体的にどのような項目に対してどのように行えばいいかなかなかイメージがわかないかもしれません。そこで僕が実際に直近の再審査時に提出した文章を公開します。

好きな技術や活動を突き詰めて自然に受賞することが望ましいとは思いますが、一例として参考になれば幸いです。

“MVPを受賞することで得られるコミュニティ活動へのメリット”について

MVPとしての活動や情報発信通じて自身へのフィードバックを集めてスキルをよりブラッシュアップし、コミュニティ貢献の質が更に高まるというサイクルを今後も加速させていきたいためです。

Developer Technologiesカテゴリに加え、Microsoft Azureカテゴリでの受賞を希望します。
前回の受賞期間においては主にXamarin技術をコミュニティで学び、知見を発信し、その過程で十分な検証を行い本番環境に導入するという実践を評価していただきました。
その後はクライアント開発の知見をMicrosoftが提供するクラウドサービス上でそのまま活かせることを学び、クライアントアプリとバックエンドを一気通貫で効率よく開発するための情報を登壇、書籍、Webなどの複数の媒体を通して発信し、ハンズオンの場で自ら講師をつとめ開発者をモチベートしてきました。

Microsoftの技術のとりわけ素晴らしい点はこのOSや実行環境、クライアントやバックエンドを問わず開発できる一貫性だと考えます。この素晴らしさをより多くの人に実感を伴って伝え、実践していただくためには両カテゴリにまたがった活動が効果的です。

更に、各プロバイダー(AWS、Google)のクラウドサービス(特にServerless分野)の経験(開発、本番環境運用、書籍執筆、翻訳、OSS開発など)や現在携わっているコンテナベースのアプリケーションの開発・運用経験は他のクラウドサービスからAzureに移行したい開発者に比較情報や差異を伝えるのに活用でき、Azure Functions、 Durable Functions、Azure Kubernetes Serviceへの他サービスの機能・実装を意識したフィードバックを行うのにうってつけです。
これらの理由からDeveloper Technologiesカテゴリでの受賞を継続し、Microsoft Azureでの新規受賞を希望します。

日本の技術コミュニティにもっとも良い影響を与えたと思う活動

クライアントからバックエンドまで手を動かして学べる教材、機会を提供しこれから新しい技術や難しい技術に向き合う人をモチベートしたことです。

新しい技術や有益な技術に関する発信において、Visual StudioやVisual Studio Codeの環境設定に始まり、サービスを開発・デプロイして稼働させたバックエンドをクライアントから実際に触ることができる状態までを実感を持って理解できる形式で伝わるよう活動してきました。この活動においては個々の技術の理解の入門・実践のハードルを下げるだけでなく、Microsoftの技術がOSや実行環境、クライアントやバックエンドを問わず、一貫した方法により効率の高い開発を可能にしていることも同時に伝えることができました。

一方で自身はAWS、GoogleのFaaS、KaaS等も本番環境で活用した経験を有しているため、他のプラットフォームとの比較の上で情報提供を行い、体型的な理解を促進しました。

MVP再受賞後に向けて企画している、インパクトのあるコミュニティ活動のアイデア

書籍

  • Knative
  • Kubernetes入門とCustom Resource、コントローラーを利用した拡張

などに関する書籍執筆を予定しています。それによりDeveloper Technologies全般の開発効率向上、Azure Kubernetes Service含むコンテナ技術の入門・実践のハードルを下げサービスの拡大に貢献します。

ハンズオン

  • Knative
  • Kubernetes

ローカル環境やAzure Kubernetes ServiceをはじめとするKubernetes as a Serviceを活用したハンズオンを実施します。それによりKubernetes自体への理解向上とKubernetesのマネージドサービスとKubernetes自体の拡張機能の関係の理解向上に貢献します。

登壇

  • Serverless Days(国内最大のServerlessコミュニティイベント)への登壇およびハンズオン講師
  • 海外のServerless Confへのプロポーザルおよび登壇
  • CloudNative Days Tokyo 2019への登壇(国内最大のCNCFコミュニティイベント)

OSS

  • Serverless開発を加速させるOSSへの継続的なコントリビューションを予定しています。それによりAzure Functions、Durable Functionsでの開発生産性向上に貢献します。
  • Kubernetes開発を効率化するOSSの開発とKubernetesのエコシステム自体(Kubernetes、Knativeや各種)へのコントリビューションを予定しています。それによりAzure Kubernetes Serviceでの開発効率向上およびKubernetes as a Serviceとしての完成度の向上に貢献します。

コミュニティリーダーとして率先して取り組んでいる、より良い技術コミュニティづくりのための活動

登壇

特定技術(Azure、Xamarin、Serverless、Kubernetes、Vue.js)に入門し実践したい開発者向けの情報提供を目的とするプレゼンテーションを実施。

寄稿

本番環境導入や運用事例を求める開発者・経営者向けの事例(日本マイクロソフト公式事例)や会社ブログ(前職のfreee developers blog)への寄稿。

技術記事

特定技術の入門と実践力を高めたい開発者向けの技術記事執筆。Azure Functions、Durable Functions、Visual Studio、Visual Studio for Mac、Vidsual Studio Code、Xamarinについて執筆。Qiitaへの投稿は10万字を超えるものもあり、PVは30万を超えている。QランキングではVS for Mac1位、Xamarin.Mac1位、XAML5位、Xamarin.Forms4位、Xamarin.iOS5位、Xamarin6位。

書籍執筆

本番環境導入や運用事例、知見を求める開発者への書籍(Xamarin、Kubernetes)の執筆。

ハンズオン

特定技術(Azure、Xamarin、Cognitive Services)に入門したい開発者向けのハンズオンの開催・講師・サポートを実施。

翻訳

手を動かしながら技術を理解したい開発者向けのハンズオンや動作原理を解説した記事の全訳を実施。技術領域はAzure Functions、Visual Studio、Visual Studio for Mac、Vidsual Studio Code、Xamarinなど。

ブログ

これから発信を行ったり特定技術の入門を行いたい開発者向けの記事を執筆。技術領域はAzure Functions、Durable Functions、Visual Studio、C#、Xamarin、Serverlessなど。

OSS

特定技術を運用していて効率化をはかりたい開発者向けのOSSへのコントリビューション。技術領域はAzure Functions、Durable Functions、Go、AWS Lambda(.NET)など。

サンプルコード

特定技術を組み合わせたひとまとまりのアプリケーションを見たり動かしたりして学びたい開発者向けのサンプルアプリケーションの開発・公開。技術領域はAzure Functions、Durable Functions、Xamarin、Go、AWS Lambda(.NET)、Face APIなど。

※上記の審査用PRとは別に具体的な活動履歴も個々の記事のPVなどと合わせて提出します。
MVPサイト

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Serverless Meetupでの登壇

Microsoft MVP 日本事務局森口様からのコメント

セッション登壇やハンズオン講師などのオフライン活動、そしてブログ投稿やサンプルコード公開、オープンソース活動といったオンラインでの活動と、あらゆる角度からの非常に熱心なコミュニティ活動を通じて技術コミュニティをリードしてくださったことから、杉田さんに2019-2020 Microsoft MVP for Developer Technologiesを授与させていただきました。

さらに、普段Microsoft技術をあまり使用されていない方を含む幅広いオーディエンスを対象とされている杉田さんのご活動によって、より多くの開発者にMicrosoftの最新の開発技術を知っていただくことができました。Microsoft MVPアワードは、このようにベンダーの垣根を超えた開発技術の広がりや技術コミュニティの活性化を力強く支えていただける活動をとても高く評価しており、杉田さんのようなMicrosoft MVP受賞者を一人でも多くMVPコミュニティにお迎えできますことを日々心待ちにしております。

最後に

メルカリグループにはGo、GCP、Androidなどの様々な技術コミュニティに積極的に参加するメンバーが多数在籍しており、私自身も「技術をアウトプットするところに技術は集まる」と信じ活動しています。この記事を見て少しでもコミュニティ活動や技術発信に興味をもつ仲間が増えると嬉しいです。一緒に盛り上げていきましょう!

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